検体検査や生理機能検査など、さまざまな検査を行う臨床検査技師ですが、時代の変化とともに簡易化されるものも多くなってきました。そのため、現在では、人の手や目による専門性の高さが求められる傾向にあり、その存在は医療の現場で必要不可欠とされています。
しかし、臨床検査技師の需要は減少してきているのが現状です。そのため、現場のニーズに合わせて、知識や経験、技術などの専門スキルの高い人材の需要が高まってきています。
臨床検査技師としてさらにスキルアップしたいと望む場合には、以下のような認定資格の取得を目指すことが可能です。
上記の中でも特に取得を目指す人が多いのが細胞検査士の資格。細胞診のプロとして、採取した検体にがん細胞があるかどうかを調べるなど、病理検査でその手腕を発揮することができます。
また、生殖補助医療胚培養士の資格を取得すると、不妊治療の現場でスキルを投じることも可能です。
このように、臨床検査技師の資格を活かして、さらに認定資格の取得を目指すことで多方面で活躍できるチャンスが得られます。受験資格や試験内容、認定条件などは、それぞれの資格によって異なりますが、臨床検査技師の資格を有していることが一つの条件とされている場合が多いため、いつでもステップアップを目指すことが可能です。
多方面で活用できる資格を取得しておくことで、臨床検査技師としての自身の需要を高めることができるでしょう。
活躍の場は、病院や大学病院、クリニック、臨床検査センター、保健所、製薬会社、医療機器メーカー、研究施設など多様です。
新しい医薬品の開発業務に携わりたい場合には、臨床試験を実施している治験センターなどでCRC(治験コーディネーター)として働くこともできます。治験業界で活躍している臨床検査技師の医療機関への転職に比べて難易度が高くなりますが、CRC従事者の約6割ほどは臨床検査技師の資格を保有している場合が多いです。
また医療に関係する現場以外にも、食の安全を守るための検査をメインに行う食品メーカーや、動物の感染症を調べる食肉衛生検査所、環境汚染を調べる環境調査関連の機関といったフィールドで働いている人もいます。
業界の採用倍率は高めです。その理由は、他の認定資格を取得する人が増えていることと、任期制やパート職員の採用枠が多くなってきていることが挙げられます。
臨床検査技師として働くからには、安定した収入と長期的に働ける場所を得たいという人が多いでしょう。そのため、3~5年の任期が決められている職場を避ける傾向にあることで倍率が高くなっているようです。
臨床検査技師の仕事は年々、求人数が減少傾向にあり、医療機関での採用人数も少なめです。そんな中で応募できるフィールドが広がる人がいます。それは、生理検査(エコー検査など)の経験が3年以上あり、認定資格も持っている場合です。
転職する際、実務年数ももちろん重要ですが、難易度が高いとされている細胞検査士や認定輸血検査技師といった認定資格を持っているとさらに有利になるでしょう。
しかし、保健所などの機関への転職は狭き門と言われています。臨床検査技師は国家資格でもあるため、保健所などで働く人は地方公務員扱いになり、定年まで勤めあげる人が多いことが理由です。転職先によっては離職率が低い場合もあるので、自身が進みたい職場の倍率も意識しながら転職活動をするとよいでしょう。
給与の安定や福利厚生の充実を望む場合には、検査センターや医療機器メーカー、製薬会社などへの転職を視野に入れてみてもよいかもしれません。また、これまでの知識や実務経験を活かして、フリーランスとして活躍するという道を選択することも可能です。実力次第では高い収入も期待できます。
臨床検査技師の求人探しでは、ハローワークや転職サイトを利用する人も多いでしょう。その他の方法で納得のいく転職先を探すのであれば、業界の求人情報に詳しい転職エージェントの活用もおすすめです。
それぞれの特徴から自分に合った転職方法を見つけてみましょう。
厚生労働省が管轄しているハローワークは、各都道府県に展開されている公共の職業安定所です。
仕事を探している人が無料で利用できる機関であり、ハローワークの窓口やインターネットサービスで求職の申し込みをすることでサービスを受けることができます。
臨床検査技師の求人に絞り込んで探すことも可能なので、効率よく転職活動を行えるでしょう。
Webサイトで公開されている求人情報から希望に合う仕事を探す方法です。
サイトを閲覧し、職種の絞り込みから応募、面接など、すべてを自身で行わなければならないため、思った以上の時間と労力を要するのがデメリットとされています。
また、自分で企業とのマッチング率を見極めなければならないため、就職後に「やっぱり合わないかも」というミスマッチが起こる可能性もあるのがリスクです。
しかし、スキマ時間に求人検索ができるので、現職を続けつつ転職活動を行うことができます。
Webサイトで求人情報を公開している点では転職サイトと変わりありませんが、大きな違いは非公開求人を多数保有していることでしょう。また、希望条件に合った求人紹介はもちろん、アドバイザーによるサポートや面接日程の調整、就職後のアフターフォローなど、各転職エージェントによってさまざまなサービスを受けることができるのも強みです。
転職エージェントでは、求職者のスキルと施設側が求めている人材とのマッチングを行ったうえで紹介するため、未然にミスマッチを防ぐこともできます。そのため、臨床検査技師として理想のカタチで転職を叶えることが可能です。
転職支援サービスの中に、「臨床検査技師JOB」という専門性の高い転職エージェントがあります。情報量の豊富さと専任コンサルタントによるサポートが特徴です。このような専門分野に特化した転職エージェントを活用するのもよいでしょう。
その他に、日本臨床衛生検査技師会が設けている職業安定所を活用する道もあります。厚生労働大臣が認可している、臨床検査技師と衛生検査技師を対象としたものです。都道府県ごとに活動しているため、自身で登録して求職活動を行います。
転職先を探す方法は多様にありますが、自分に一番適した方法を選択して転職活動に臨むとよいでしょう。
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